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2021.10.20(最終更新日:2021.10.20

経営計画・状況を数字で把握する
-2.毎月の売上・患者数推移を把握する-

経営計画イメージ

前回の記事では、日々の診療に伴う経営数字を把握するための第一段階として、損益分岐の理解と、目標患者数の設定について説明しました。
今回は、その続きとして実際に毎月の売上・患者数推移を把握していく方法について述べていきたいと思います。

継続的に経営状況(売上や患者数)を確認していくことを「モニタリング」と言います。患者さんの血圧や血糖値を継続的に計測、管理していくことが医療上欠かせないのと同様に、経営に関してもキーとなる数値を継続的・客観的にモニタリングしていくことが重要です。
まず、売上構造を理解していきましょう。売上の構造を理解することで「患者数が減っていないのに売上が減った」(またはその逆で患者数が減っているのに売上が上がった)等の場合の原因追及と対策がしやすくなります。

図表1 収益構造ツリー

収益構造ツリー

売上は「患者数×患者単価」。また患者数は初診と再診に、単価は診療行為に分解して捉える。

(1)売上の構造理解

図表1は、外来保険売上の構造をツリー形式で表したものです。「売上=患者単価×患者数」をさらに分解して表現しており、患者数は初診患者数と再診患者数に大きく分けられ、単価は診療行為(初再診、管理料、投薬、検査など)に分けることができます。単価に関しては自院の診療内容が大きく変わらない限り構成が大きく変わることは通常ないので、患者数ほど頻繁に確認する必要はありませんが、患者数が減っていないにも関わらず売上が大きく変わった、という場合には単価構造の推移も気にした方がよいでしょう。
また診療内容によって重視すべき診療行為も異なります。生活習慣病メインの診療の場合は管理料、CTやMRIなど単価の高い検査を重視している場合は検査料や画像診断料を適正に算定していくことが重要となります。

(2)モニタリング方法

モニタリングの方法として一般的なのは、大抵のレセコンに機能として備わっている「日計表」や「月計表」で患者数や単価の推移を追うことです。クリニックによっては事務スタッフが毎日日誌を付けて管理しているところもあるかと思います。どのような方法においても、ある一時期だけを見るのではなく推移を見ることが大事なポイントです。
継続して見ることで、「なぜ減っているのか(増えているのか)」という原因が気になるようになり、前項で示したように「初再診別ではどうか?」「年齢や曜日での傾向はどうなっている?」等、さらに掘り下げて原因や傾向を探る方向に頭が働くようになります。
ちなみに初診が徐々に減っている場合は、クリニックの存在が地域の中でまだ知られていない可能性があるため、「認知」「試行」を促すための広告戦略の強化・見直しが主な対策となり、再診が減っているのであれば何らかの理由で離脱している可能性を考慮し、「継続」を促すための院内環境整備や接遇に問題がないかの見直しが主な対策となります。

(3)便利なツール

ただ、「やはり自分でモニタリングのために慣れない数字を触ったり分析する時間が確保できない!」という先生もいらっしゃいますので、効率的にモニタリングを行うための便利なツールも世に出ています。システムによって、これまでご紹介したような月次の患者数推移や単価構造など、チェックすべき数字が分かりやすいグラフ形式で表示され、モニタリングを支援してくれます。
このようなITを活用した経営支援の仕組みも多数登場してきているので、学会や展示会などの機会も利用したり、税理士やコンサルタントに相談して情報収集を意識して行ったほうがよいでしょう。

情報提供元:株式会社メディヴァ コンサルティング事業部
マネージャー 越路公雄(クリニック事業担当)

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