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2020.04.30(最終更新日:2020.04.30

新型コロナウイルス影響下における外来診療所の診療報酬戦略

診療報酬イメージ

本稿執筆時点(令和2年4月14日)での新型コロナウイルス感染者数は全国で約8,000名、東京都で2,300名超となっており、日に日に感染者数は増え続けています。
感染拡大状況の出口が見えない中、弊社がご支援しているクリニックにおいても、マスク等の資材不足や医師・スタッフの院内感染防止など様々な課題に直面しています。とりわけ外出、通院時の感染を不安視しての「受診控え」が顕著になり、診療科にもよりますが内科・小児科系クリニックにおいては患者数が前年比マイナス20%~50%と大きく落ち込んでいるクリニックもあり、収益面での立て直しが最優先課題となっています。
本稿では、新型コロナ影響下においても受診者数と収益を確保するための手段として「オンライン診療」と「トリアージ診療料」について概要をご説明いたします。

1.オンライン診療

オンライン診療イメージ

本来は対面診療を補完するものとして、再診以降の受診や映像を伴う通信手段でしか算定できなかったオンライン診療ですが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い医療機関の受診自体が困難になっているものとして、時限的・特例的な対応として、「初診からオンライン可能(初診料214点)」「情報通信機器を用いた特定疾患管理料の算定可能(147点)」が認められることとなりました。

対面と比較し、初診で約8割・再診で約7割の診療報酬ではありますが、受診者減で困っているクリニックにとっては、患者さんのニーズに働きかけて、便利な受診機会を提供する方法として前向きに考えることをお薦めします。

決済手段(クレジットカード、QR決済など)については審査・契約に時間を要することから早めの準備が必要です。「PayPal」「Coiney」「Square」といった患者さんのメールアドレスのみあれば請求可能なサービスが便利です。デジタルな決済に不慣れな患者さんについては次回来院時払いや銀行振り込みを依頼することになります。

また今回の時限的措置においては、自院がオンライン診療を行っていることについてホームぺージ等で広告することを制限していないため、積極的に情報発信をしていくべきでしょう。

また情報通信機器については最低限電話でも算定可能なので、「まずは再診から」で全く問題なく、構えずにスタートできるのではないでしょうか。

詳細は当社Webサイトおよび厚労省の4月10日事務連絡もご覧いただきたいのと、当社にて簡易に診療報酬パターンを表にまとめましたので参考にしてください。

あくまで「時限的措置」としての制度ですが、3ヵ月単位での見直しが図られるため、4~6月で厚労省が継続要否を判断し、継続の場合は7~9月も継続、という判断となります。

2.トリアージ診療料

トリアージ診療料イメージ

オンライン診療と並んで、今回のコロナ影響下における外来への措置として「トリアージ診療料」の算定条件緩和も、一定レベル以上の感染防止策をとっている医療機関においては注目したい時限措置です。

こちらは令和2年4月8日の事務連絡にて周知があり、新型コロナウイルス感染症の疑い患者に対して、必要な感染予防策を講じた上で行われる外来診療を評価する観点から、本来必要な施設基準の届出を省略して「院内トリアージ実施料(300点)」を算定できることとなりました。

実施すべきトリアージ基準は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第1版」とされています。(具体的には「5 院内感染防止」の章で触れられている防護、換気、環境整備、廃棄物の処理等です。)

実際の算定例として、当社支援先の内科系外来クリニックにおいては、受付時間帯を一般外来と、発熱等の感染疑い症状外来に分けて実施しており、後者の時間帯に来院した発熱症状患者に対して入口でこのトリアージ実施料を算定しています。

当初は初診患者のみに算定ということでしたが、4月14日の疑義解釈にて再診の場合でも算定できることも確認されています。

この時期、特例的診療報酬の状況が目まぐるしく変わっているため、診療報酬に関する情報はこまめにチェックするようお願い致します。

(表1)診療点数比較(院外処方)

点数 初診 再診
慢性疾患 慢性疾患以外
対面 オンライン
電話
対面 オンライン 電話 対面 オンライン 電話
初診料 288              
※初診料機能強化加算 80 80            
再診料
(時間外対応加算等は含まず)
    73   73  
小児科外来診療料                
オンライン診療料   214   71     71  
外来管理加算     52   52  
電話再診料       73 73 73 73
明細書発行体制等加算※※     1 1 1 1 1 1
処方箋料 68 68 68 68 68 68 68 68
一般名処方加算2 5 5 5 5 5 5 5 5
特定疾患処方管理加算1/2※※ 18 18 66 66 66      
調剤料          
処方料(内服薬)          
特定疾患療養管理料※※※     225      
特定疾患療養管理料
(情報通信機器を用いた場合)
      147 147    
459 385 490 360 360 199 147 147
点数 初診
対面 オンライン電話
初診料 288  
※初診料機能強化加算 80 80
再診料
(時間外対応加算等は含まず)
   
小児科外来診療料    
オンライン診療料   214
外来管理加算    
電話再診料    
明細書発行体制等加算※※    
処方箋料 68 68
一般名処方加算2 5 5
特定疾患処方管理加算1/2※※ 18 18
調剤料    
処方料(内服薬)    
特定疾患療養管理料※※※    
特定疾患療養管理料
(情報通信機器を用いた場合)
   
459 385
点数 再診
慢性疾患 慢性疾患以外
対面 オンライン 電話 対面 オンライン 電話
初診料            
※初診料機能強化加算            
再診料
(時間外対応加算等は含まず)
73   73  
小児科外来診療料            
オンライン診療料   71     71  
外来管理加算 52   52  
電話再診料     73   73
明細書発行体制等加算※※ 1 1 1 1 1 1
処方箋料 68 68 68 68 68 68
一般名処方加算2 5 5 5 5 5 5
特定疾患処方管理加算1/2※※ 66 66 66      
調剤料      
処方料(内服薬)      
特定疾患療養管理料※※※ 225      
特定疾患療養管理料
(情報通信機器を用いた場合)
  147 147    
490 287 360 199 74 147
点数 小児科(6歳未満、小児科外来診療料算定時)
初診 再診
対面 オンライン 対面 オンライン 電話再診
初診料          
※初診料機能強化加算 80 80      
再診料
(時間外対応加算等は含まず)
        73
小児科外来診療料 599   406    
オンライン診療料   214   71  
外来管理加算          
電話再診料       73  
明細書発行体制等加算※※          
処方箋料          
一般名処方加算2          
特定疾患処方管理加算1/2※※          
調剤料          
処方料(内服薬)          
特定疾患療養管理料※※※          
特定疾患療養管理料
(情報通信機器を用いた場合)
         
679 294 406 73 73

※施設基準を満たす施設のみ
※※現時点では実施の可否は明確ではない
※※※病院では対面の場合 100床未満:147点、100床以上200床未満:87点


情報提供元:株式会社メディヴァ
コンサルティング事業部
マネージャー越路公雄(クリニック事業担当)

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