• ホーム
  • 精神科のシステム化ワークフロー
2020.09.29(最終更新日:2020.09.29

精神科のシステム化ワークフロー

精神科のシステム化ワークフローのイメージ

精神科クリニックのシステム化は、①電子カルテ、②来院管理(時間管理)の2点を考える必要があります。精神科の特徴として、診察時間が長くカルテ記載量が多いため、いかにカルテをしっかり書くための電子カルテの準備が重要になります。言い換えれば、いかに素早く多くの情報を記録するかがカギとなります。

1.電子カルテ入力のスピードアップ

電子カルテ入力する医師

まずは、電子カルテのポイントから説明いたします。電子カルテはいかに素早く多くの情報を記録するかが大切ですから、入力スピードをいかにアップするかを考えなくてはなりません。スピードアップの秘訣は、「テンプレート」と「セット化」、「クラーク運用」にあります。前者は電子カルテ操作の「省力化」を意味し、後者は電子カルテ操作の「業務分散」を意味しています。業務を減らし、業務を分担するのは、業務効率化の原則です。

2.診療行為と病名のセット化

診療イメージ

精神科は、いっけんカルテの記載をパターン化することに向いていないように感じます。実際、パターン化できる部分とパターン化できない部分が存在します。そこで基本的に誰にも聞く項目(既往歴、睡眠、食事、仕事など)と、症状によって聞く項目に分けてパターンを考えて、それを整理してテンプレート化することが大切です。また、処方や検査については、疾患別にセットとして登録すると良いでしょう。

例えば、うつ症状を訴えている患者を考えてみましょう。患者の主訴、そして状態をしっかり確認し、その症状を引き起こす原因を探るために、必要があれば検査を実施します。その後、症状に合わせて処方や、カウンセリングの予約などをとっていきます。診察に際して、「通院精神療法」の算定に当たっては、診察時間を記録にする必要があるため、時間を忘れずに記入してください。

処方は、抗うつ剤や(睡眠障害の症状があれば)睡眠薬などを選びます。病名は検査や症状に合わせて選びます。この一連の流れをある程度一覧にまとめておくことで、入力は飛躍的にスピードアップすることが可能です。

セットについては、最初に頻出する疾患別にいくつかセット化しておき、後から追加・変更を繰り返すことで、より良いセットが作られていきます。また、セットは医師やクラークが覚えやすいように名称を付けるとともに、配置についても、疾患ごとにまとめて配置しておくと探しやすくなります。

忘れてはならないのは、セットを更新した際には、必ず情報連携を行うことです。これは電子カルテを入力する誰もが心得て欲しいところです。いつの間にかセットが更新されていたり、配置が変わったりすると、トラブルのもとになります。

3.クラークの動き

診療イメージ

「クラーク」については、まず医師とクラークの役割分担を行います。役割分担とは、どの部分の入力を医師が行い、クラークは何を担うかを決めることです。これを決めておくことで、医師とクラークの連携がスムーズに進みます。

具体的には、初診であれば問診内容から類推し、どのテンプレートを選ぶかを考えます。当然、患者の訴えは絶対ではないので、医師の診察を通して、修正が必要になります。ただし、患者の訴える症状からいくつかの疾患を想定することを訓練することで、医師の動きに伴奏することが可能になるのです。これは疾患への理解とともに、経験が必要になりますので、長い目で育成していただくことをお勧めします。

また、精神科は医師以外にスタッフがいることを患者が好まないことも多いため、席の配置や服装、キーボードの入力音などに最善の注意を払う必要があります。クラークは医師の黒子に徹し、できるだけ存在を消すことがポイントです。また、クラークは電子カルテの入力業務に集中しすぎないように、常に患者に配慮しながら行動してください。

4.検査管理

検査

精神科の「検査」は、心理検査、血液検査、心電図などが考えられます。これらの検査の流れを、医師、看護師、クラークがしっかり理解しておくことでスムーズな運用が可能になります。具体的には、検査の実施や、検査結果のカルテ記載、結果の患者説明などを整理しておくことをお勧めします。

システム化のポイントは、検査結果の取り込みにあります。精神科では検査結果は電子カルテですべて管理するというのが一般的な運用方法です。しかしながら、心理検査については、紙の検査結果をスキャナーなどで取り込む必要があり、これらのスキャンデータが増えるとデータ容量が大きくなり、スピードに影響しますから、必要なものを選んで取り込む工夫が必要でしょう。

5.時間管理

精神科は、「時間」で管理することが一般的で、継続的な診察が必要となるために、「次回の予約」を効率的にとることが大切です。そこで、多くの診療所では「診療予約システム」が導入されています。このシステムは歯科や美容などでよく利用されるシステムで、予約システムとしては最もポピュラーなものです。また、このシステムはWebから簡単な操作で予約、変更、キャンセルなどを行うことが可能です。注意点としては、どこまでWebに公開して患者自らが行えるようにするかの制限を決めることです。例えば、予約の変更、キャンセルは患者が行えないようにするなど、工夫が必要です。

6.まとめ

以下に精神科のシステム上のポイントを5点まとめましたので、参考になさってください。

①電子カルテはテンプレート化とセット化、クラーク運用でスピードアップを図る
②基本的に誰にも聞く項目と、症状によって聞く項目に分け、整理してテンプレート化する
③クラークは医師の黒子に徹し、できるだけ存在を消す
④検査結果などのスキャンデータは必要なものだけ、電子カルテに取り込む
⑤診療予約システムを導入して、次回予約をしっかり管理する

情報提供元:株式会社EMシステムズ

当サイトは、株式会社EMシステムズが管理し、情報を編集・提供しています。提供している情報は公開時点の情報です。

投稿等の内容及び提供した情報に関して、その正確性・速報性・合法性・完全性・有用性など、会員に対していかなる保証もいたしません。

自身の判断でご利用下さい。