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2020.11.30(最終更新日:2020.11.30

開業時のタスクシフティング②ー電子カルテの役割分担

医者

開業する際、院長の仕事はとてもたくさんあります。そんな時、タスクシフティングの考え方を取り入れるかどうかで、負担は大きく変わります。今回は、開業時のタスクシフティングのうち、電子カルテにおける役割分担について解説します。

1.改めて、電子カルテとは?

電子カルテ

電子カルテとは言うまでもなく、クリニックの基幹システムです。現在では電子カルテの普及が進み、開業の時に導入するのは当たり前、既存のクリニックでもレセコンから電子カルテへの入れ替えが進んでいます。近年では、電子カルテの機能も拡大傾向にあり、レセコン、外注検査、次回予約、オンライン診療、簡単な画像管理も電子カルテの機能の一部になっています。

電子カルテは当たり前となったシステムですが、完全に使いこなせているのかというと、機能をすべて使いこなせているかと言えば疑問が残るところです。その理由は電子カルテを医師がメインで利用しているところにあります。電子カルテは長らく「医師のもの」という考え方がありました。一方で、レセコンは医事スタッフのものですね。この考え方こそが、電子カルテの活用を妨げてきたのではないかと考えます。電子カルテは「クリニックのスタッフ全員が理解し利用するもの」という考え方で、電子カルテを活用してほしいのです。全スタッフが主体性をもって、愛着を持って電子カルテを利用してほしいのです。

2.役割分担はSOAPから考える

医者と看護師

電子カルテをクリニックすべてのスタッフが活用する際に、SOAPの考え方で整理すると「役割分担」がスムーズに進みます。SOAPは、カルテの記載方式の一つです。電子カルテメーカーの多くが採用しています。

S:Subjective Data(主訴)
O:Objective Data(所見)
A:Assessment(評価)
P:Plan(計画)

このSOAPの「どこ」を「誰」が「どこ」で入力するかを決めることが役割分担です。これを開業時にある程度決めておき、定期的に進化させることが、役割分担成功のカギとなります。具体的にどこを誰が担当するかを考えてみましょう。

3.Sは受付スタッフと看護師が土台を作る

S(主訴)は患者の訴えですので、問診票の記載内容や、受付スタッフや看護師で聞き取りしたこと、医師が患者に質問した内容を記載することになります。したがって、主訴の多くは、受付スタッフと看護師が担当することになります。最近では、Web問診という便利なシステムが流行の兆しですので、そのシステムを利用することで、効率化が図れます。

4.Oは医師が始めて、クラークを育てる

O(所見)は医師の見立てや身体所見、検査結果になります。その中で、検査結果の貼り付けなどは事務側で行うか、クラーク(医師事務)が行ってもよいでしょう。医師が考えていることはなかなか、医師以外のスタッフが入力するのは難しいので、最初のうちは医師が担当し、徐々にクラークを鍛えていくのも一つの方法です。

5.Aは医師が始めて、クラークを育てる

A(評価)は疑われる疾患などになりますが、ここは始めのうちは医師が入力し、慣れてきたら口頭でクラークに指示をすればよいでしょう。この内容はレセプト上必要な病名をすべて書くのではなく、主病名となるものを書いておくことで、レセプトを作成する際の参考になります。最近では、診療行為と病名を紐づける運用をよく見られますので、セットを工夫すれば良いでしょう。

6.Pはクラークに任せるか、セット化を進める

クラークイメージ

P(Plan)は今後の計画や治療方針、指導内容などになりますが、ここは診察の最後になりますので、診察をスムーズに回すためにはクラークに任せたいところです。ここを医師が担当すると、次の患者の呼び込みが遅れてしまいますので、できるだけクラークを置く場合は指示を行ってクラークが入力をすると良いでしょう。特定疾患療養管理料など管理料を算定する際は、指導内容の要点の記録が必須になりますので、あらかじめ要点をセット化し、選んで登録できるようにすると、クラークが入力しなくても効率化は図れます。特に次回の予約は、医師の時間がもったいないので、クラークか看護師に任せてしまうことをお勧めします。

このように見ていくと、以下に医師以外のスタッフが担当できる部分が多いかがわかるでしょう。あらかじめ役割分担を行うかどうかで、スタッフの成長度合いも変わりますので、是非開業時に考えてほしいところです。役割を持たすことで人は育ちます。
ただし、注意点としてカルテの記載責任は医師にありますので、承認は医師が行うことは徹底してください。承認とは電子カルテでいうところの保存に当たります。

次回は、オーダーの役割分担を考えていきたいと思います。

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