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予約システム選定のポイント

今冬に再び受診自粛の兆し
現在、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、第3波が到来しており、連日過去最高の感染者が報告されています。長引く感染拡大の影響から、「感染症対策」の重要性が増しています。
政府が5月に提示した「新しい生活様式」では、感染対策を引き続き徹底し、できるだけ不要不急の外出を控え、3密を避けることなどが求められています。この行動は、患者に対して「医療機関に行くのを避けたい」というマインドを作り出し、ぎりぎりまで医療機関の受診を先延ばしするという「受診控え」につながっています。
今夏から秋にかけて、一旦回復した診療所の患者数は、今冬に感染拡大が深刻になるにつれて再び自粛が始まろうとしています。
1.混まない待合室づくり

このように「外来患者の減少」する状況では、診療所は「安心して受診できる環境づくり」を徹底的に行う必要があります。そもそも待合室は、混んでいれば混んでいるほど「密」につながりやすい場所です。従来の「待合室で長く待つのではないか」というこれまでのイメージを抜本的に見直す必要があるのです。その方法として、クリニックの「滞在時間の短縮」に注目が集まっており、予約システムを活用して「混まない待合室」を作り出すことが求められています。
2.予約システムの変遷

予約システムは、「時間予約システム」と「順番管理システム」、その2つの特性を組み合わせた「時間帯予約システム」の3つに分けることができます。
時間予約システムとは、「時間」を軸に患者の予約を取る方法です。一方、順番管理システムは、「順番」を軸に患者の整理券を発行する方法です。時間帯予約システムは、ある程度の「時間帯」を予約する方法です。時間予約よりも時間のズレが起きにくい仕組みです。
(1)時間予約
最初に診療所で利用され始めたのは「時間予約」です。このシステムは、時間で来院患者を管理する仕組みです。時間のズレが少ない、患者一人当たりの時間が読める診療科では利用されてきました。一方で、患者と約束した「受診する時間」がズレてしまうと患者の不満につながってしまうため、時間変動が多い診療科では普及が進みませんでした。限られた診療科での普及にとどまりました。
(2)順番管理
次に出てきたのが、「順番管理」です。患者は順番が書かれた「番号」を取ることになります。あくまで順番であり、時間を予約したわけではありませんから、時間のズレによる患者の不満はありません。そのため、時間のズレがたびたび予想される診療科で主に採用されることになりました。しかしながら、今度は患者が「順番通り来ない」という課題が生まれたのです。患者は、番号さえ取っておけば優先的に診てもらえると考え、まずは順番を押さえておけばよいという発想になり、早い順番を持っている患者がなぜか遅い順番に来院するという行動をとるケースが問題になったのです。
(3)時間帯予約
そこで、時間予約と順番管理の折衷案として、「時間帯予約」という方法がとられるようになりました。この時間帯予約は、30分~1時間というざっくりとした時間を予約する方法なり、時間内であればいつ来てもよいので、かなり融通の利く仕組みです。時間のズレの問題、順番通り来ない問題の2つを解消するシステムとして注目されています。
3.それぞれのシステムの特性
予約システムの種類ごとに、仕組み、メリット、問題点、導入に向く診療科、密の回避を以下にまとめました。ご参考になさってください。
時間予約 | 順番管理 | 時間帯予約 | |
仕組み | 受診する「時間」を予約する | 受診する「番号」をとる | 受診する「時間帯」を予約する |
メリット | 時間通り診療が進むことで来院患者をコントロールできる | 順番通り診療が進むことで来院患者をコントロールできる | 時間のズレ、患者の順番順守などの課題が解消できる |
問題点 | 時間のズレが大きい場合は患者の不満につながる | 順番を遵守しない患者が多い場合や、患者が多すぎる場合はかえって混乱する | 時間枠の分しか患者を診られない |
診療科 | 歯科、美容、精神科、リハビリなど | 内科、小児科、皮膚科、耳鼻科、整形外科など | 診療科にあまり影響はない |
密の回避 | ◎ | △ | 〇 |
これらの予約システムが、コロナ禍での患者同士の「密」を回避する効果で考えると、「時間予約」であれば、同じ時間に患者は来院しませんので、待合室は密にならず、時間による距離(タイムディスタンス)が確保できます。また、「時間帯予約」も時間帯の枠の分しか患者は来院しませんので、待合室の混雑はある程度回避できます。一方、「順番管理」では、順番通りに患者が来院すれば良いのですが、前もって来る人もいれば、ぎりぎりに来る人もおり、この影響から少し「密」は残ってしまいます。
4.機能による選定ポイント
予約システムは、時間・順番・時間帯の3タイプのどれが自らの診療スタイルに合うかを考えて選びます。タイプが決まったら、次に機能による選択となります。現在よくある機能を挙げておきますので参考になさってください。メーカーごとに有する機能は異なりますので、機能を確認してください。
<予約システムの主な機能>
解説 | |
順番表示 | モニターに現在待っている順番を映し出す機能。多診察の場合は、診察室ごとにモニターを設置する。 |
番号発券機 | 受付などに設置し、患者自らが番号券を発行する機能。 |
呼び込み | タブレットなどを活用して診察室などから、患者を呼び込む機能。 |
自動呼び出し | 自分の順番、時間が近づいたら、自動的に呼出す機能。 |
LINE連携 | 通常ホームページに設定する予約の入り口をLINE上に作る機能。 |
ワクチン管理 | 小児のワクチンの予約に対して、ワクチンのスケジュールを管理する機能。 |
情報提供元:株式会社EMシステムズ
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