• ホーム
  • 解説 オンライン資格確認
2021.02.25(最終更新日:2021.02.25

解説 オンライン資格確認

医師イメージ

2021年3月に「オンライン資格確認」が始まります。「オンライン資格確認」とは、マイナンバーカードのICチップまたは健康保険証の記号番号を用いて、オンラインで資格情報の確認ができる仕組みのことです。この仕組みに参加することで、医療機関の「レセプト請求業務」は大きな業務効率化が実現できると期待されています。

1.オンライン資格確認に参加するメリット

医療機関の受付では「保険証の確認」が義務付けられています。この業務は、医療機関にとって登録に時間がかかり、登録間違いをしたり、確認間違いがあったりと、何かと煩わしい業務です。患者から提出された保険証は、その保険証が失効あるいは変更されていても、その場で確認する術はありません。患者を信用するしかないのです。もし、保険証の内容が誤っているままレセプトを作成すると、審査支払機関から「返戻」となって戻って来てしまいます。医療機関はその後、患者に再度確認を取り、変更点を修正し、再提出という手続きをとらなくてはなりません。

「オンライン資格確認」に参加することで、医療機関の窓口で直ちに資格が確認できるようになります。登録間違い、確認間違い、失効した健康保険証による過誤請求などがなくなるのです。また、保険証には顔写真はありませんが、マイナンバーカードには顔写真があります。医療機関において診療時における被保険者の確実な本人確認が可能になりますので、「なりすまし」や「保険証の友人間の譲渡」といった問題も解決します。 さらに、転職などで保険者が変わっても新しい保険者が資格情報を登録することで、新たな健康保険証の発行を待たずに受診できるようになります。保険証の切り替わりによる、確認ミスや登録ミスも防ぐことも可能になるのです。

2.オンライン資格確認の導入準備

クリニックイメージ

さて、医療機関が「オンライン資格確認」を開始するためには、社会保険診療報酬支払基金が運営する「医療機関等向けポータルサイトhttps://www.iryohokenjyoho-portalsite.jp/」にアクセスし、

①サイト登録
②顔認証付きカードリーダーの申請
③セキュリティが担保されたインターネット回線
④オンライン資格確認端末、ソフトウェアのインストール
⑤電子カルテ・レセコンの連携のための改修

などが必要になります。例えば、夏頃に準備を開始した医療機関は、そろそろカードリーダーが届く頃です。現在は、電子カルテメーカーなどからインターネット回線の準備やオンライン資格確認端末、電子カルテの改修などについて、どのように進めるか、費用はいくら掛かるのかの説明も始まっていることでしょう。

3.補助金の活用

オンライン資格確認に必要な機器等の費用については、政府が医療機関や薬局の初期導入にかかるコストを支援するため、「医療情報化支援基金」を社会保険診療報酬支払基金に設置しています。「顔認証付きカードリーダー」は支払基金で一括調達し、医療機関および薬局に無償で配布することとなっています。もし、顔認証付きカードリーダーを導入しない場合は、オンライン資格確認のシステム改修に要する費用等を含めて、全て補助金の「交付対象外」となりますので注意が必要です。現在、3社(富士通、パナソニック、アルメックス)の製品の中から選んで申し込みを行うことになっていますが、申込みから医療機関に届く時期については、概ね4~6か月とされています。早めの申請をお勧めします。

「顔認証付きカードリーダー以外の費用」については、医療情報化支援基金の補助金が活用できます。現在、「2021年3月末まで」に顔認証付きカードリーダーの申込みを行った医療機関等に限定して、構築に要した費用について一定の補助上限まで全額補助を行うとされています。

加速化プランを踏まえた追記的な財政補助について

出典)「加速化プラン」を踏まえた追加的な財政補助について(厚労省)

4.オンライン資格確認の普及状況

カードリーダー

厚労省によると、2021年2月14日時点の「顔認証付きカードリーダーの申込状況」は、全体で30.8%で、病院が40.1%、医科診療所が22.7%、歯科診療所が25.1%、薬局が48.4%となっています。補助金の要件が、2021年3月末にカードリーダーの申し込みをしていることですから、この1カ月でさらに数字が伸びることが予想されます。

5.オンライン資格確認の導入にあたってのチェックポイント

医院受付

オンライン資格確認の導入にあたり、チェックしておきたいポイントがあります。 まず、カードリーダーや資格確認端末の「置き場所」です。クリニックの受付はたいてい狭く、現時点でも電子カルテや予約システムなどが所せましと並んでいます。追加でもう一台パソコンを置くとなると、置き場所に工夫が必要です。資格確認端末では多くの作業が行われることはありませんので、スペースを考えれば小型のパソコンで十分となりますが、受付カウンターにとても置く場所がないとなれば、受付のそばに棚を別途用意することも検討が必要でしょう。

次に、「患者への告知方法」についてです。医療機関はオンライン資格確認に対する理解がだいぶ進んでいますが、患者はほとんど知らないのが現状でしょう。まずは、患者に「2021年3月からマイナンバーカードでの受付が始まる」ことを告知する必要があるのです。また、仮に知っていても、マイナンバーカードと健康保険証の紐づけが完了していなければ、カード―リーダーは利用できません。そのため、まだ紐づけていない患者に対しては、紐づけを促すとともに、通常の健康保険証での受付となることを説明する必要があります。

3つ目は、カードリーダーの「操作の説明」です。カードリーダーの操作は、駅で切符を買うことができれば十分操作ができるレベルですが、初めて利用する方は多少の戸惑いが予想されます。そこで、初めてカードリーダーを利用する患者のために、ポスターなどを利用して操作手順を解説する必要があります。もし人に余裕があれば、カードリーダーの隣に立って操作説明を行っても良いでしょう。

4つ目は、「受付ルートの整理」です。オンライン資格確認が始まると、マイナンバーカードと従来の保険証の2つの受付ルートが必要になります。マイナンバーカードで患者自ら受け付けるのか、健康保険証の提示になるかの確認をまず行い、「マイナンバーはこちら、保険証はこちら」と誘導する必要があるのです。この案内がスムーズに進まなければ受付が混雑し密になる上、待ち時間の原因にもなりかねません。最初のうちは受付を少し増員し、上手に患者を誘導する必要があるでしょう。

情報提供元:株式会社EMシステムズ

当サイトは、株式会社EMシステムズが管理し、情報を編集・提供しています。提供している情報は公開時点の情報です。

投稿等の内容及び提供した情報に関して、その正確性・速報性・合法性・完全性・有用性など、会員に対していかなる保証もいたしません。

自身の判断でご利用下さい。