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2021.04.27(最終更新日:2021.04.27

どうなる?オンライン資格確認、本格運用を半年間延長する

医師イメージ

2021年3月下旬に本格運用を予定していた「オンライン資格確認」ですが、3月26日の社会保障審議会医療保険部会で、「遅くとも2021年10月の開始に延期する」と、約半年間の延期が発表されました。そこで、今回は延期に至った経緯と、今後のスケジュールについて解説します。

1.顔認証付きカードリーダーの申込み状況

カードリーダー

2021年3月末で医療機関・薬局の6割の申し込みを目標としていた「顔認証付きカードリーダー」の導入率は、2021年4月11日時点12万9822件(56.8%)となりました。そのうち、病院は6417件(77.5%)、医科診療所は3万9983件(44.8%)、歯科診療所は3万5115件(49.5%)、薬局は約4万8307件(80.4%)となっています。6割にはわずかに届かず、特に医科歯科共に診療所での遅れが顕著になっています。 政府はテスト運用、プレ運用、そして3月下旬から本格運用と段階を踏んで開始を目論んでいました。もともとは、プレ運用を3月4日から500機関で開始予定だったのですが、実際は3月22日時点で54機関にとどまっており、さらにその中で課題が明らかになったため、本格運用の開始が延期されたことになります。

2.延期の理由、問題点

データイメージ

延期理由は、社会保障審議会で報告された資料によると「導入準備の遅れ」とプレ運用の中で発覚した「データ不備」が主たる理由のようです。
「導入準備の状況」については、新型コロナウイルスの影響等によるシステム改修の遅れや世界的な半導体不⾜によるパソコン調達の遅れ導入準備の遅れ、カードリーダーメーカーの生産遅れなどが挙げられています。システム改修は徐々に完了⾒込みであり、カードリーダーについても順次生産拡大中で、遅くとも6月までには約10万台の生産が可能になるとの方針が示されています。
「プレ運用の状況」については、加入者データの不備による資格確認エラーや院内システムへの読み取りエラーなどが発生しており、 加入者データについては保険者のが早急に整備を進め、エラーについても解決の方向で進んでいるとのことです。今後は、システムの安定性等を検証しながら、順次医療機関数を拡⼤させていくとのことでした。

保険者側の「データ登録の状況」については、コロナ禍による出勤制限等により、データの登録、確認・修正作業に時間を要していること、保険者が管理・登録している加入者データの正確性に課題があることなどが課題として挙げられています。
具体的な問題点としては、保険者内での取り違えなどにより登録した個人番号に誤りがあったり、そもそも被保険者証の情報が登録されていない、被保険者番号が正確でないなどが報告されています。その他、海外在住者や、加⼊者がマイナンバーを提出していない等の理由により、保険者がマイナンバーを登録できないものが約175万件程度ある⾒込みとしています。対策としては、ヒューマンエラーが起こり得ることを前提に、システム的な対応を強化し、データの精査を⾏うとしています。

3.今後のスケジュール

今後は、今回起きた医療機関等・保険者における現状と課題を踏まえ、オンライン資格確認のシステムの安定性確保やデータの正確性担保などの観点から、プレ運用を継続したうえで、遅くとも薬剤情報の閲覧開始を予定している10月までに、本格運用を開始するとしています。この間に、個⼈番号の誤りが⽣じないよう、個⼈番号の誤⼊⼒をシステム的にチェックする機能を導⼊するなどが発表されています。また、並⾏して、実際の運⽤を⾏いながらデータを検証し、精度を⾼めていくとしています。

スケジュール

出典:オンライン資格確認等システムについて(2021/3/26 厚労省社保審医療保険部会資料)

オンライン資格確認をめぐる今回の一連の騒動により、医療現場では今後どうなっていくのだろうと、不安に感じているのではないでしょうか。一方で、オンライン資格確認を着実に安定稼働させるために、現場の混乱を避けるために延期するという政府の判断は賢明であったとも言えます。半年間の延長の間に、どこまで仕組みを精緻なものにできるか、マイナンバーカードをどこまで普及できるかが本格稼働の成功のためには必要不可欠です。オンライン資格確認に関する政策動向について、今後も情報を入手次第、続報をお届けしていきたいと思います。

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