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2021.05.28(最終更新日:2021.05.28

開業準備スケジュール(2)物件選定・資金調達

医師イメージ

前回に続き、開業スケジュールについて考えていきましょう。今回は(2)土地探し・物件選定(場所選定)と(3)資金調達について解説していきたいと思います。

1.土地探し・物件選定(10カ月前)

立地イメージ

「開業の成功は場所で決まる」と言われるくらい場所は大切です。マーケッティングの4P(Place、Price、Product、Promotion)においても、Placeは最初に来るほど重要なことです。この場所を決める際に、一般的には「診療圏調査」を行うことが多く、対象となる患者がどれくらいその地域に住んでいるかをざっくり把握することになります。この調査は医薬品卸や開業コンサルタントなどに調査をお願いすることになります。ただし、診療圏調査は、5年に一度行われる「国勢調査」のデータをベースにしていますので、現在はコロナ前のデータとなるため、調査結果が必ず正しいとは言えません。多少の調整が必要と考えます。

2.コロナで場所の考え方が変わった

コロナ禍で「場所」に対する考え方は変わりました。これまで多くの人が集まっていた駅前立地は、働き方改革が進められる中、在宅勤務やリモートが進み、交通機関による通勤が減少しています。一方で、車の利用は増えています。また、地域住民の移動範囲もコロナ前に比べて大きく狭まっています。このような環境変化を踏まえると、郊外型の住宅地に近い駐車場のしっかりとれる立地がいまでは好立地となっいます。この傾向はしばらく続くことが予想されますので、従来の考え方からコロナ禍の考え方へ調整を行うことをアドバイスしています。

3.資金調達(10カ月前)

必要資金の計算

開業場所の選定と並行して取り組む必要があるのは「資金調達」です。前回紹介した開業コンセプトに基づく「趣意書」とビジョンに基づく「事業計画」を用意して、「独立行政法人福祉医療機構」や「日本政策金融公庫」、民間銀行(メガバンク・地銀・信用金庫など)からの融資を受けるために、活動を開始します。リース会社も最近では開業資金を融資してくれます。
実際にかかるコストを把握することで資金調達が具体的になります。例えば、クリニックを開業する際の開業資金として必要になる資金は「土地・建物(内装工事)にかかる費用」「設備(医療機器・医療システム)にかかる費用」「運転資金」などです。ちなみに、「運転資金」は医院の規模に応じて、人件費や消耗品費、光熱費、リース料などが想定されます。最初の診療報酬の振込は翌々月に行われるため、この運転資金は最低でも3か月分は必要となります。

4.コロナ禍で融資を受けやすい状況に

銀行員イメージ

現在はコロナ禍で、市中にキャッシュが増えている状況で金利も低く設定されています。また、長引くコロナ禍の影響で景気が徐々に悪化しており、このような時は安全マネーへ移る傾向にあります。一般的に、返済能力が高いと判断される医療機関は、借り入れがしやすい状況にあります。中には金融機関も医療部門を新たに作るところも増えており、積極的に融資に応じていただけることと思われます。金融機関の担当者と希望額をもとに調整をおこない、最終的には融資の審査が行われることになります。金融機関とは、開業後も長くお付き合いする先なので、複数の金融機関から話を聞き、融資交渉の際の態度などをしっかり確認し、長く付き合える先を選ぶことが大切です。

5.コロナ禍で設備投資が増える傾向に

待合室

コロナ禍では「感染予防」のために、構造設備を変更する必要があります。具体的には、患者同士の距離を保つために「待合室」を広くしたり、空気清浄機などの設備を入れたり、急な発熱患者に備えて、診察室を増やしたりする必要があります。またシステム投資も、後に詳しく解説しますが、自動精算機やセルフレジなどの導入も視野に入れると、全体の比率が増えているように感じます。従来よりも設備投資にかかる費用を多めにすることをお勧めします。

6.遅くとも半年前には決定しよう

このような「場所選定」および「資金調達」は、遅くとも開業半年前までに確定しておかなければ、新規開業はスケジュール的に難しくなります。その後の内装工事や医療機器・システムの選定と決めなくてはならないことは目白押しです。早め早めを心掛けて精力的に行動することが重要となります。

(次回に続く)

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