• ホーム
  • 2020年度診療報酬改定のポイント(診療所編)
2020.03.31(最終更新日:2020.03.31

2020年度診療報酬改定のポイント(診療所編)

2020年度診療報酬改定のポイントイメージ

 我が国が現在直面している課題は、「超高齢社会」と「生産人口の減少」です。それを受けて、政府は「社会保障制度の安定性・持続可能性の確保」と「働き方改革(生産性向上)」の2つを柱に2020年4月度診療報酬改定が行われます。

<改定の基本的視点と具体的方向性>
① 医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進
② 患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現
③ 医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進
④ 効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上

1.かかりつけ医の評価

かかりつけ医イメージ

患者にとって最も身近な医療機関である診療所は、「かかりつけ医」としての機能充実が求められています。具体的には、「機能強化加算」「地域包括診療加算」「小児かかりつけ診療料」「小児外来診療料」等の見直しが行われています。

○ 機能強化加算…機能強化加算の掲示等の情報提供に係る要件について、「必要に応じて専門医・専門医療機関に紹介すること」「医療機能情報提供制度を利用して、かかりつけ医機能を有する医療機関を含む地域の医療機関が検索できること」が加わるとともに、院内掲示と同様の内容について、患者へ書面で提供する。

○ 地域包括診療料…地域包括診療加算の施設基準のうち時間外の対応に係る要件について、複数の医療機関による連携により対応することとして「時間外対応加算3」の届出でもよいこととする。

○ 小児かかりつけ診療料…小児に対する継続的な診療をより一層推進する観点から、算定対象となる患者を「3歳未満」から「6歳未満」に拡大する。

○ 小児外来診療料…算定対象の患者を「3歳未満」から「6歳未満」に拡大するとともに、院内処方を行わない場合の取扱いを見直す。また、施設基準の届出を求める。

2.クリニックと薬局の連携

薬局イメージ

また、今改定で薬局の役割が大きく見直され、医薬分業の効果をしっかりと発揮できるよう、診療所と薬局の役割分担が明確化されています。薬局は「対物業務から対人業務」を強化するように、服薬指導を中心にした業務再編が求められています。

クリニックと薬局の連携を強化する内容としては、外来患者の「重複投薬解消に対する取り組み」の評価として、複数の医療機関を受診する患者の重複投薬を解消するために、薬局が処方医に重複投薬の解消にかかる提案を行う評価が新設されました。

この項目以外にも薬局と診療所の連携を促す改定内容が多くみられますので、診療所は近隣の薬局と打ち合わせを行うと良いでしょう。

3.後発医薬品のさらなる推進

医薬品イメージ

後発医薬品の使用は現在、約70%の水準まできましたが、米国並みの80%まで引き上げるために、「一般名処方加算」が各1点引き上げられました。また、後発医薬品使用体制加算についても、加算4(60%以上)を廃止するとともに、使用数量割合の高い医療機関に対する評価が各2点引き上げとなっています。

4.地域包括ケアシステムの推進

地域包括ケアシステムイメージ

超高齢社会に対する一つの解決案として進められている「地域包括ケアシステム」ですが、さらなる外来機能の分化を進めるために紹介状なしの定額負担となる病院の病床数が「400床以上」から「200床以上」に拡大がが行われています。今回は、特定機能病院と地域医療支援病院に限定されましたが、次回改定には限定が外れる可能性がありますので、紹介状の増加に備えて、診療所は紹介状の作成体制を強化する必要があると考えます。

 また、かかりつけ医と病院の連携を強化するため「診療情報提供書Ⅲ」が新設されました。同点数は、紹介元のかかりつけ医に病院等が情報提供をした際に算定できるもので、診療情報提供書が従来の一方方向から双方向になり、密接な病診連携が期待されています。

5.ICT化の評価

評価イメージ

今改定では政府が進める「働き方改革」に向けて、ICT化の利活用が評価されています。2018年改定に新設された「オンライン診療料」について、①対面期間の短縮(6カ月→3カ月)②緊急時の対応の見直し(30分以内の事実上撤廃)③対象疾患の拡大(慢性頭痛の追加)、が行われました。また、在宅医療での利用の場合は、さらに「連続したオンライン診療の算定」や、対面とオンラインの「同一医師の対応」が一部緩和されています。外来医療よりも在宅医療での緩和が大きく、政府は在宅医療での利用を促したいと考えているのではないでしょうか。

 また、オンライン診療は「遠隔地での利用」や「服薬指導」「栄養指導」「ニコチン依存症指導」でも利用可能になりました。

 さらに、今回、新型コロナウイルスの対応通知が厚労省医政局より2月28日に出され、受診を控えたい慢性疾患の患者に対する対応として、電話再診やオンライン診療の活用が特例で認められています。2020年度の診療報酬改定による緩和と新型コロナウイルスの対応で、オンライン診療の活用シーンはますます拡大しています。

情報提供元:株式会社EMシステムズ

当サイトは、株式会社EMシステムズが管理し、情報を編集・提供しています。提供している情報は公開時点の情報です。

投稿等の内容及び提供した情報に関して、その正確性・速報性・合法性・完全性・有用性など、会員に対していかなる保証もいたしません。

自身の判断でご利用下さい。