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2021.12.21(最終更新日:2021.12.21

予防接種専門外来について

予防接種イメージ

最近では、頭痛外来、禁煙外来、物忘れ外来、予防接種外来といった様々な専門外来を聞くようになりました。 これは一概に○○科、○○内科、といっても患者様本人にとってどの診療科の受診が正しいのかが分かりにくく、専門外来を掲げることでより専門性を分かりやすく伝える目的で増えてきたと考えられます。実際に、頭痛外来や認知症外来といった専門外来を掲げている医療機関では該当症状の方の来院が多いようです。

今回は、最近増えてきている様々ある専門外来の中でも「予防接種専門外来」について述べていきます。これは予防接種であればほとんどの医療機関で実施することが可能であることや、一度実施することでどの予防接種であろうとも(例えば、新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンといった新規感染症にも)少し運用を変えるだけでの対応が可能という点からです。

*今回述べる予防接種専門外来については、特定の時期に需要が拡大するインフルエンザや新型コロナウイルスに対しての予防接種を想定しています。小児ワクチン(ロタワクチンやヒブワクチン、四種混合など)といった、通年で実施されているものに対しては全てが当てはまるわけではありません。

まず前提として、頭痛外来や認知症外来といった診療に対する専門外来よりも、予防接種専門外来を実施することは多くのメリットがあり、予防接種専門外来はその名の通り、予防接種の方しか来院しない外来ですので、院内スタッフ、患者様それぞれに対して、下記メリットがあります。

スタッフ側

予防接種イメージ

・運用フローが簡素化でき多くの方の接種が可能
一般診療患者と予防接種患者の入り混じった(医師診察の)流れだと全体の効率は悪くなりがちですが、一定の時間内を予防接種に専念することで、医師だけでなく受付や看護師の作業も通常と比べ煩雑にはなりません。そのため、同じ時間でもより多くの患者様の対応が可能となります。
あるクリニックでは、医師1人では1時間に外来患者であれば5~8人ほど、予防接種患者も含めたとしても併せて1時間では10人弱の対応が限界でしたが、予防接種専門外来を設け、1時間に40名程度の接種対応を可能としていました。

・一般患者への診療に余裕をもって対応できる
上記のように通常よりも多くの方の予防接種に対応できるため、通常の一般診療時間での予防接種希望者を減らすことができます。それにより、一般の患者様に対して時間に追われず余裕をもった診療が可能となります。

患者様側

・症状のある患者様との院内での混在がなく風邪等がうつる心配がない
昨今、新型コロナウイルスの影響で発熱症状のある患者は一般の患者と診察の時間や院内動線を分ける医療機関が増えています。一方でそれまでは発熱患者と一般患者を分けて診察をしている医療機関は少なく、インフルエンザワクチン予防接種に来院しても院内には発熱(インフルエンザかもしれない)患者様も多くいる状況でした。
予防接種の専門外来では、こういった予防接種を受けるのに医療機関内で感染症がうつる危険性や不安感も少なく、患者様も安心して来院することができます。

さらに新型コロナウイルスワクチンに関していえば、接種促進事業として様々な協力金の交付があり接種をしていた医療機関には経済的なメリットもありました。協力金としては下記のようなものがありました。
※医療機関の所属する自治体により内容が異なる場合があります。

接種回数の底上げに対する協力金
①週100回以上接種を4週間以上 +2,000円/回
もしくは、
週150回以上接種を4週間以上 +3,000円/回
②日50回以上接種を行う 10万円/日(①との重複はなし)

時間外・休日の接種による協力金
①時間外接種  730円×予診実施回数+消費税
②休日接種  2,130円×予診実施回数+消費税

参考:
1.https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000783967.pdf
2.https://www.mhlw.go.jp/content/000797250.pdf

そして今回は新型コロナウイルスワクチンの予防接種専門外来を実際に行ったクリニック(A院)の運用案を簡単に記載いたします。
A院では1時間に40名の完全予約制で接種を行いました(図1)。この人数はA院の広さ(15分または30分待機の方が何人まで待機できる場所があるのか)から設定しています。

図1 予約人数の設定枠

図1 予約人数の設定枠

人員体制は医師1名(問診)、看護師3名(接種、接種準備、見回り・緊急時対応)、受付5名(予約確認、問診表等確認×2、接種証明書発行×2)にて行いましたが、待機場所さえあれば、同じ人員体制でもっと多くの患者様の対応ができるほど運用には余裕がありました(図2)。

図2 簡易的な流れと人員配置

図2 簡易的な流れと人員配置

新型コロナウイルスワクチンでの例を記載いたしましたが、一部会計や接種後待ち時間の有無での違いはありますが、その他の大まかな運用方法はどの予防接種でも同じように対応可能です。

実施に当たっては、体制(診療時間やスタッフ)が組めるかが大きいですが、実施によるメリットは医療機関側、患者様側にもありますので一度検討してみてはいかがでしょうか。

情報提供元:株式会社メディヴァ コンサルティング事業部 松葉広昭

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