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2022.01.24(最終更新日:2021.01.24

令和4年度診療報酬改定のゆくえ(基本方針と改定率)

医者

2022年4月に予定される「令和4年度の診療報酬改定」について、速報で情報提供を行っていきます。今回は基本方針と改定率について解説します。また、内容についてはクリニックに関係するものに絞ったものとなります。

令和4年度の診療報酬改定はコロナ禍で初めて行われる改定となります。改定に至る背景として、2024年の第8次医療計画、医師の残業の上限規制、医療と介護の同時改定、2025年の完成を目指している地域包括ケアを見越しての内容となります。
今回の改定では、
・新型コロナで臨時的に組まれた「感染症対策」の内容をいかに組み込んでいくのか。
・働き手不足の対策として取り組まれている「働き方改革」をさらに進めるには。
・「医療DXの活用(デジタル社会)」をどのように評価するのか。
・「地域包括ケアシステム」に向けた外来・在宅・入院の体制をどのように整備するのか。
という以前から議論されてきたテーマと新型コロナで新たに生まれたテーマが盛り込まれています。

令和4年度の診療報酬改定の基本方針

12月10日の社会保障審議会医療保険部会で「基本方針」が決まり、1月14日の中央社会保険医療協議会に諮問されました。
改定にあたっての基本認識として4点が提示されています。
〇新興感染症等にも対応できる医療提供体制の構築など医療を取り巻く課題への対応
〇健康寿命の延伸、人生100 年時代に向けた「全世代型社会保障」の実現
〇患者・国民に身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現
〇社会保障制度の安定性・持続可能性の確保、経済・財政との調和
今回の改定にあたって、新型コロナ等の感染対策を継続しながら、超高齢社会に向けて継続的に社会保障制度を維持するために、効率的で効果的な医療政策を実現するとしています。
次期改定の検討にあたっては、前々回(平成30年)の診療報酬・介護報酬の同時改定では、2025 年に向けて、「医療機能の分化・強化、連携や、医療と介護の役割分担と切れ目のない連携を着実に進める」改定が行われ、前回(令和2年)の診療報酬改定では、これらの取組が更に推進するとともに、重点課題として医師等の働き方改革等の推進に取り組んだとしています。これら過去の改定の流れを継承しながら、2020年初頭から始まった「新型コロナの対応」や、感染拡大により明らかになった課題を踏まえ、「地域全体での医療機能の分化・強化、連携」等の対応を行うことが重要としています。また、現在のデジタル社会へ順応し、質の高い医療提供体制の構築に向けた取組を進める必要があるとしています。
「基本的視点」としては、以下の4点が示されています。
(1)新型コロナウイルス感染症等にも対応できる効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築【重点課題】
(2)安心・安全で質の高い医療の実現のための医師等の働き方改革等の推進【重点課題】
(3)患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現
(4)効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上
このように、今回の改定のキーワードは「地域包括ケア」「働き方改革」「感染症対策」「デジタル化」となることが分かります。

図 令和4年度診療報酬改定の基本方針(概要)

感染症対策

(出典)社会保障審議会 医療保険部会(2021/12/10)<厚労省>

改定率

12月22日の予算大臣折衝を踏まえ、令和4年度の診療報酬改定の改定率は、診療報酬本体がプラス0.43%(医科プラス0.26%、歯科プラス0.29%、調剤プラス0.08%)、薬価はマイナス1.35%、材料価格はマイナス0.02%、全体(ネット)改定率はマイナス0.94%となりました。
診療報酬本体のプラス0.43%には、①看護の処遇改善のための特例的対応(プラス0.20%)、②リフィル処方箋の導入・活用促進による効率化(マイナス0.10%)、③不妊治療の保険適用のための特例的対応(プラス0.20%)、④小児の感染防止対策にかかる加算措置の期限到来(マイナス0.10%)が含まれています。
診療報酬本体は過去12年間で最低の改定率となりました。また、リフィル処方箋がどこまで影響するかは不明であり、クリニック経営には大きな影響があると予想されます。

図 過去12年間の改定率の推移

過去12年間の改定率の推移

改定率の付則

今回の改定率には、新型コロナ感染拡大により明らかになった課題等に対応するために、以下の項目について、改革を進めるよう指示されています。
①医療機能の分化・強化、連携の推進に向けた、提供されている医療機能や患者像の実態に即した、看護配置7対1の入院基本料を含む入院医療の評価の適正化
②在院日数を含めた医療の標準化に向けた、DPC制度の算定方法の見直し等の更なる包括払いの推進
③医師の働き方改革に係る診療報酬上の措置について実効的な仕組みとなるよう見直し
④外来医療の機能分化・連携に向けた、かかりつけ医機能に係る診療報酬上の措置の実態に即した適切な見直し
⑤費用対効果を踏まえた後発医薬品の調剤体制に係る評価の見直し
⑥薬局の収益状況、経営の効率性等も踏まえた多店舗を有する薬局等の評価の適正化
⑦OTC類似医薬品等の既収載の医薬品の保険給付範囲の見直しなど、薬剤給付の適正化の観点からの湿布薬の処方の適正化
この中で、クリニックにも影響する内容としては、「外来医療の機能分化・連携」「かかりつけ医機能」「後発医薬品」「既収載の医薬品の保険給付範囲の見直し」「湿布薬の処方の適正化」などです。

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