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2022.03.23(最終更新日:2022.03.23

改定速報―リフィル処方箋とかかりつけ医

電子カルテ運用イメージ

2022年4月に予定される「令和4年度の診療報酬改定」について、速報で情報提供を行っていきます。今回は、クリニックに関係のある項目として「リフィル処方箋」と「かかりつけ医の評価」を取り上げて解説します。

令和4年度診療報酬改定」は、コロナ禍初の改定であり、新型コロナの感染拡大の影響への対応と共に、これまで継続的に進められてきた「地域包括ケアシステム」の構築、「持続的な社会保障制度」に向けての内容が盛り込まれています。今回の改定では、コロナ禍並びに超高齢化により、年々増大を続ける医療費を抑えたいと考える政府は、「リフィル処方箋」という新しい仕組みを導入することを決断しました。

リフィル処方箋

リフィル処方箋とは、医師が症状が安定していると認めた患者に対して、薬剤師による服薬管理のもと、処方箋を最大3回まで反復利用できる仕組みです。
コロナ禍では、患者はできるだけ受診を控えたいという考えから、2カ月、3カ月といった長期処方の希望が多くあり、病状が安定している場合はやむを得ず長期処方が行われてきました。しかしながら、今回の変更により長期処方は返戻・査定などで厳しくチェックされることが予想されます。長期処方が可能な患者であれば、今後はリフィル処方箋を利用すべきというロジックが働くためです。
また、リフィル処方箋が開始されると、一定期間は受診がなくとも薬がもらえることになり、状態が安定していて定期的に薬を服用している患者は、受診頻度が減ることが予想されます。患者がリフィル処方箋の存在を知ることで、要望も増えていくと考えます。
一方、リフィル処方箋では、毎月の症状確認を薬局に委ねることになることから、医療機関と薬局の密な情報連携が求められています。診療所は薬局との協力関係を今一度見直す必要があるのです。

図 リフィル処方箋の流れ

図 リフィル処方箋の流れ

かかりつけ医

令和4年度改定において「かかりつけ医」の在り方について、新しい役割が追加されています。かかりつけ医を評価した「地域包括診療加算(再診料に25点/12点)」については、対象疾患が「慢性心不全」と「慢性腎臓病」が追加されるとともに、 新型コロナワクチンなど成人に対する予防接種が増えたことから、「予防接種の相談」が要件に加わっています。
また、「機能強化加算(初診料に80点)」の要件も見直され、「専門医療機関への紹介」「健康管理の相談」「保険・福祉サービスの相談」などが新たに加わるとともに、「在宅医療の実績」も盛り込まれています。
また、政府は超高齢化社会の受け皿として、在宅医療の拡充が必要と考えており、在宅療養支援診療所以外の診療所による在宅医療への参画をさらに推進しようとしています。前改定で新設された継続診療加算を「在宅療養移行加算(216点/116点)」に名称変更し、従来の24時間の往診及び連絡体制について、地域の医師会又は市町村が構築する当番医制等に加入し、市町村・医師会と連携して、必要な在宅医療体制を確保した場合を評価するとしています。
これらの「かかりつけ医」の機能を評価した項目を見ると、①患者の医薬品の管理②紹介業務③相談業務(健康・保険・福祉・予防接種)④時間外対応⑤在宅対応、とその範囲が拡大しており、かかりつけ医の役割強化が求められていることが分かります。

かかりつけ医に求める機能

かかりつけ医に求める機能

コロナ禍で最も影響が大きかった耳鼻咽喉科については処置の評価が引き上げられています。小児に対する診療及び様々な処置の組合せを適切に評価する観点から、6歳未満の乳幼児に対して耳鼻咽喉科処置を実施した場合に「耳鼻咽喉科乳幼児処置加算(60点)」の加算が新設されます。また、耳鼻咽喉科の基本的な処置にいては、耳処置(25点→27点)鼻処置(14点→16点)口腔・咽頭処置(14点→16点)がそれぞれ2点引き上げられています。

まとめ

政府は「リフィル処方箋」という新たな仕組みによって、医療費の削減効果をマイナス0.1%見込んでいます。その背景には、薬局に対して「対物業務(調剤)から対人業務(服薬指導)」の変革を打ち出しており、医療機関と薬局の関係を分業から、機能分担による協業へと進めようとする思惑を感じます。
また、地域包括ケアにおける門番の役割を担う「かかりつけ医」に対しては、適切な紹介業務と共に、健康、介護、福祉という内容の相談の担い手として機能を発揮して欲しいと考えているのです。

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