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2020.06.24(最終更新日:2020.06.24

資金繰り・雇用調整支援策について(新型コロナウイルス影響による収支悪化への財務的対応策)

資金繰り・雇用調整支援策イメージ

本稿執筆時点(令和2年5月下旬)では、日々の新型コロナウイルス新規感染者数は減少傾向にあり、県によっては緊急事態宣言が解除され、残る首都圏についても程なく解除に向けての検討が進められています。
とはいえ、感染第2波の懸念がある中、一斉に世の中が動き始めるということではなく、長引く行動自粛にともなう経済的低迷が一定の期間続くことは間違いありません。多くの外来医療機関にとっては引き続き感染リスクを不安視しての受診控えに伴う受診者数減少・収益減少が深刻化している状況にあると思います。
当社のご支援先医療機関でも受診者減少に伴う喫緊の対策として、特例的な融資・給付金制度のご相談、診療日数や時間の縮小(それに伴うスタッフの休業対応)に関しての相談が増えおります。
本稿ではコロナ対策として現時点での資金繰り支援、雇用調整助成に関する緊急対策の主な状況を解説します。

1.資金繰り支援

資金繰りイメージ

(1)はじめに(取り急ぎの対応として) コロナ影響を重く受け止め、政府系金融機関による実質無利子の支援が急速に整ってきていますが、問合せや申請が殺到しており融資実行まで一定の期間がかかってしまうことが予想されます。給与の支払等に向けた直近の手元資金が厳しい場合、まずは既存の取引金融機関に相談して緊急の資金繰りを相談することをお勧めします。民間金融機関もこの危機的状況に際して独自の支援メニューを揃えて各事業者へのバックアップ体制を強化しています。

(2)最新の情報源 緊急制度自体も日々更新されているため、最新情報は経産省の「新型コロナウイルス感染症関連」を参考にしてください。同ページに支援策を網羅的に紹介したパンフレットもあるので参考にしてください。

(3)資金繰り関連制度例紹介 ここでは融資および給付金制度として4つの資金繰り支援例を紹介します。

①(融資)日本政策金融公庫
「新型コロナウイルス感染症特別貸付」として、無担保・5年以内の据置期間で中小事業3億円、国民事業6,000万円の限度額で融資が可能です。融資条件としては1か月の売上高が前年又は前々年同月と比較して5%以上減少した場合となっています。
また、これに係る金利を実質無利子化する制度も同時に整備されています。

② (融資)商工中金
① と同様に新型コロナウイルス感染症による影響を受けた事業者向けに条件を緩和した危機対応融資が行われています。融資条件も①と同様で、こちらは限度額3億円の融資となっています。
実質無利子化できる点も同じです。

③ (融資)医療福祉機構(WAM)
政府系金融同様にWAMでも無担保・無利子の長期運転資金融資を行っています。融資条件としては営業の停止や事業の縮小です。病院の場合は限度額7.2億円、診療所の場合は限度額4,000万円の融資となっています。
詳細はこちらもご確認ください。

④ (給付金)持続化給付金
給付額の上限は法人の場合200万円、個人事業の場合100万円と限定的ですが、完全給付金ですので、条件に該当する医療機関はもれなく申請することが望まれます。
申請条件は、ある月の事業収入が前年同月比で50%以上減少している場合です。その月を対象月として年間事業収入を算出(×12)し、前年度からの減少想定額が給付金として支給されます。
現在、各地域で申請サポート会場が設置されているほか、オンラインでも申請可能となっています。



(例)個人事業の場合、持続化給付金の計算例

前年度(2019年度)の年間事業収入(A) 300万円
上記年度4月の月間事業収入(B) 30万円
今年度4月の月間事業収入(C) 14万円(前年同月比50%以上減少)
算定式 (A-C×12) 300 – 14×12 = 132万円(上限以上)
給付額 100万円(上限額の支給)

このほかにも、融資にあたって保証制度面での支援(信用保証協会による保証料ゼロ対応など)や各種納税期限の猶予など、当面の資金繰りを支援する制度が用意されていますので、自院の状況にあわせて活用してください。

2.休業および雇用調整支援

雇用調整支援イメージ

顧客の減衰等、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、雇用の維持を前提として休業手当に要した費用を助成する制度として「雇用調整助成金」があります。

助成金の2020年4月~6月末の期間が「緊急対応期間」と位置付けられており、昨年同月比で売上が5%低下していることを始め、幾つか条件があり(下表参照)、かつ、申請書類に関しても『休業等実施計画』『支給申請書』『助成額算定書』等の提出が必要となっております。

手続きが煩雑で制度の時限的内容も状況に応じて変わりつつあるので、院長自身で対応するのはやや難易度が高いのですが、従業員の手当付き休業を伴って時限的休業・診療時間短縮で苦境を凌いでいる医療機関にとっては非常にマッチする助成金制度なので、社労士などに相談していただきたいと思います。

制度についてはこちらの厚労省サイトをご覧ください。



雇用調整助成金 特例措置概要

特例以外の場合の雇用調整助成金

緊急対応期間(4月1日から6月30日まで)

感染拡大防止のため、この期間中は全国で以下の特例措置を実施
経済上の理由により、
事業活動の縮小を余儀なくされた事業主
新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主(全業種)
生産指標要件(3か月10%以上減少) 生産指標要件を緩和(1か月5%以上減少)
被保険者が対象

雇用保険被保険者でない労働者の
休業も助成金の対象に含める (緊急雇用安定助成金)

助成率 2/3(中小)、1/2(大企業)

助成率 4/5(中小)、2/3(大企業)
※解雇等を行わない場合、9/10又は10/10(中小)、3/4(大企業)

計画届は事前提出 計画届の事後提出を認める(1月24日~6月30日)

5月19日~は提出不要

1年のクーリング期間が必要 クーリング期間を撤廃
6か月以上の被保険者期間が必要 被保険者期間要件を撤廃
支給限度日数 1年100日、3年150日 同左+上記対象期間
短時間一斉休業のみ

短時間休業の要件を緩和

休業規模要件 1/20(中小)、1/15(大企業)

併せて、休業規模要件を緩和 1/40(中小)、1/30(大企業)

残業相殺

残業相殺を停止

教育訓練が必要な
被保険者に対する教育訓練
助成率 2/3(中小)、1/2(大企業)
加算額 1,200円

助成率 4/5(中小)、2/3(大企業)
※解雇等を行わない場合、
9/10又は10/10(中小)、3/4(大企業)
加算額 2,400円(中小)、1,800円(大企業)


情報提供元:株式会社メディヴァ
コンサルティング事業部
マネージャー越路公雄(クリニック事業担当)

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