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2021.05.27(最終更新日:2021.05.27

開業準備スケジュール(1)コンセプト検討・事業計画

医師イメージ

開業準備について、コロナ禍の影響も踏まえて、スケジュールを考えてみましょう。 開業スケジュールについては、(1)コンセプト検討・事業計画(2)土地探し・物件選定(3)資金調達(4)建築・内装(5)医療機器の選定(6)医療システムの選定(7)採用・研修(8)集患・マーケティング(9)各種届出(10)シミュレーション・内覧会、が一般的な流れとなります。この流れに沿って、数回にわたり解説していきたいと思います。

1.開業時期

医者

クリニックを開業しようと考えたとき、まず考えるのは「何のために開業するのか」、それは「いつ頃」実現したいのかということでしょう。開業時期は、戸建てやテナント、クリニックモールなどの開業形態によって異なります。戸建てであれば設計を一から行い、それに基づき建物が立てる必要があるため、テナントやクリニックモールに比べて時間がかかることは容易に予想がつくでしょう。また、クリニックモールは基本的に全体のオープン時期が決まっていますので、それに合わせて開業時期を決めることになります。今回は開業準備に1年間と決めて、考えていくことにします。

2.コンセプト(12カ月前)

医者

次に、「何のために開業するのか」。言い換えれば「コンセプト」を決めることになります。コンセプトは、後にクリニックの経営理念になり、クレド(行動指針)のベースとなるものです。クリニックのホームページや院内に良く掲示されているものです。
現在、長引くコロナ禍でクリニックを取り巻く経営環境は変わっており、過去の先輩クリニックのコンセプトが必ずしも正解とは言い切れません。ニューノーマルに対応したクリニックのコンセプトを作る必要があるのです。そのような時、開業コンセプトの作成に向けて、考えを整理しやすい方法とは、「ミッション・ビジョン・バリュー」を考えることをお勧めしています。
この「ミッション・ビジョン・バリュー」の関係を時間軸で考えると、ミッションは過去から現在まで、バリューは現在、そしてビジョンは現在から未来という関係になります。人生は常に連続しており、開業したから新しく人生が始まるわけではありません。未来は過去の延長線上にあるという考え方がベースになっています。

3.ミッション・ビジョン・バリュー

「ミッション」とは、使命や目的と訳され、「何のため」に医師になったのか、なぜこの仕事をやっているのか、を過去から現在までの医師人生を振り返ると明確になります。また、勤務医から開業医に変わることは、人生の第2ステージを意味し、大きな決断が伴います。自分の残された人生を使って、何を成し遂げたいのか、そんなことも考えてみてはどうでしょうか。
「ビジョン」とは、運命、目標と訳されます。「どんな未来」を思い描いているのかを、5年後、10年後、と考えることで明確になります。これからの開業生活で、何を達成していきたいかを思い描いてほしいのです。ビジョンを考える際の注意点としては、具体的な数字目標に落とし込むことです。数字がなければ、事業計画は作れないし、開業後の効果測定もしにくくなります。数字という明確な目標にコミットすることは、非常に大切です。
「バリュー」とは、価値観と訳され、自分が「どんな価値」を提供できるか考えることです。クリニックの場合は、その地域社会にどんな価値を提供したいかを考えることになります。まずは、診療科、専門領域、医師として大切にしている価値観、一人の人間として大切にしている価値観などをきっかけに考えていくと良いでしょう。

4.どの順番で検討するか

医者

どの順番で、これらを検討していくかも大切です。過去、現在、未来の流れで考えると、一見うまくいきそうに思われますが、私はあえて未来であるビジョンから始めた方が楽観的に考えられるのでお勧めしています。まずは、楽観的にビジョンを描き、バリューやミッションと照らし合わせながら、微調整していく方が頭の中のイメージ化が進みやすいと考えるからです。

5.事業計画(12カ月前)

医者

コンセプトを決めるプロセスで、「ビジョン」を決めましたが、これは「事業計画」につながるものです。ビジョンを数字に落とし込むことで、具体的な事業計画が策定できるようになります。この事業計画を作る際、収支構造や資金繰り、キャッシュフローなどを詰めていくことになります。これは後に解説する資金調達で必ず必要になりますし、開業後も事業計画と照らし合わせながら、効果測定を行いますので、しっかり作り上げる必要があります。
事業計画を策定するには、「損益計算書」や「収支予算表」などを作成します。これを作るには、経営知識が必要で勉強が必要となります。開業後に必ず必要な知識であり、自ら苦心して作ることで勉強にもなります。ただ、限られた時間で完成させなくてはなりませんので、作成を手伝ってもらえる税理士や経営コンサルタントに相談するのも一つの方法です。餅屋は餅屋ですから、是非相談してみてください。

(次回に続く)

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