2021.10.01(最終更新日:2021.10.01

医療DXへの道のり

看護師と患者

医療のデジタル化は、他業界に比べて5年から10年遅れていると言われます。その理由のひとつは、医療は公的サービスであり、安全で安定的なサービス提供が求められることから、様々な規制が存在しています。政府の規制緩和とIT化の推進はセットであることから、政府のIT化推進策によってIT化が進むという構図が生まれているのです。

医療ITの歴史

かつて1970年代の医療の世界は紙カルテ、紙レセプト、フィルムとすべてがアナログの時代でした。医療デジタル化の歴史は約48年前、レセコン(レセプトコンピュータ)の発売開始にさかのぼります。その後、1980年代~2000年にかけて、オーダーリング、電子カルテ、画像ファイリングシステム(PACS)と発展を遂げていきます。
現在の医療デジタル化の中心は電子カルテであり、電子カルテをプラットフォームとして、様々なシステムがつながって成り立っています。クラウドタイプの予約システムやWeb問診など電子カルテの周辺システムの導入が一般的になり、電子カルテと周辺システムを組み合わせて、医療機関のシステム化を考える時代が到来したのです。

政府のIT化推進策

電子カルテ

2000年代に入り政府は積極的にIT化を進めており、1999年に法的に「電子カルテ」が認められ(診療録等の電子媒体による保存について【厚労省通知】)、2001年に「医療IT化に関するグランドデザイン」の第1弾が公表されます。当時のグランドデザインには、「5年以内に病院・診療所の6割に電子カルテを導入する」ことが目標として明記されています。
その後、2004年に「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」が出されることで、医療のシステム化に関するルールが整備されます。2006年には、レセプトのオンライン請求が推進され、いまではオンライン請求が当たり前となっています。
2010年には、「医療分野のクラウド解禁(診療録等の保存を行う場所についての一部改正【厚労省通知】)」により、クラウド技術でシステムの開発環境が著しく改善されました。
2021年現在では、その流れはさらに進み、自動精算機・セルフレジなどの導入が、「働き方改革」を受けた生産性向上を目的に進み、新型コロナによる「感染対策」として、オンライン診療・服薬指導などの診療のデジタル化が進んでいます。
2021年10月からはオンライン資格確認が本格稼働し、2022年夏ごろをめどに電子処方箋を解禁する予定となっています。
政府のデジタル化推進の流れを考えると、ひとつのターゲットとして、2025年の「地域包括ケアシステム」の完成を目指して、医療・介護の情報共有を進めようと考えています。また、直近ではコロナ禍で進んだオンライン社会に順応するために、「オンライン」がデジタル化の目玉となっています。

医療DXとは?

最近、「医療DX」という言葉をよく聞くようになりました。つい最近までは、医療IT、医療ICTと言われていたものが、急にDXと言われても、なかなか受け入れるのは難しいものです。そこで、わが国の医療のデジタル化の流れを振り返りながら、DX(デジタルトランスフォーメーション)とは何かを考えてみましょう。

ビフォアIT(アナログ)の時代

紙のカルテ

紙カルテ、紙レセプト、フィルム、紙伝票であふれる世界。デジタル化以前の医療現場では、カルテやそこから転記された3枚複写の「紙伝票」が情報共有の主流でした。

医療ITの時代:院内のデジタル化

ITとは、Information Technologyの略ですが、医療の世界でITらしきものが見えてきたのが、レセコン(レセプトコンピュータ)でしょう。それから、オーダーリング、電子カルテ、PACSとシステム化が進み、病院では、HISやRISという言葉が使われるようになりました。当時の医療現場のデジタル化の掛け声は、「ペーパーレス」「フィルムレス」であり、それが進むことで効率的な情報共有が可能になると考えられてきたのです。

医療ICTの時代:デジタルコミュニケーション

オンライン診療

ICTとは、Information&Communication Technologyの略ですが、平易な言葉でいえば「デジタルコミュニケーション」という考え方ではないでしょうか。医療現場のコミュニケーションの在り方がデジタルにシフトしていくという意味であり、地域連携システムやSNSの活用などがその代表例です。患者と医療機関のコミュニケーションの在り方も、オンライン診療やWeb問診、予約システムなどで様変わりが始まっています。

医療DXの時代:デジタル化による社会変革

DXとは、Digital Transformationの略ですが、欧米ではTransを「X」で表すことから、DXと表現されています。DXを平易な言葉で表せば「デジタル技術を使いこなすことで新たな価値が生み出される」となります。代表例としては、AIやロボット、RPAの医療分野での活用がイメージされます。この流れはコロナ禍で一気に盛り上がりを見せており、これから飛躍が期待されています。

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