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2020.04.30(最終更新日:2020.04.30

2020年4月からの診療報酬改定後の反応は?

診療報酬改定イメージ

現在、世界中で蔓延している新型コロナウイルスの影響から、2020年4月の診療報酬改定は霞んでしまっているように感じます。現状況下で、いますぐ対応すべきは新型コロナウイルス感染防止の対策であり、2月から4月にかけて相次いで出された通知でも明らかなように。ICTを活用した新しい診療提供のあり方を一気に進める意思が強く打ち出されています。

1.電話・オンラインによる診療の要件緩和

オンライン診療イメージ

2月28日に厚労省は「新型コロナウイルス感染症患者の増加に際しての電話や情報通信機器を用いた診療や処方箋の取扱いについて」を通知しました。同通知によると、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、慢性疾患等を有する定期受診患者の定期処方は、電話や情報通信機器を用いて診察し処方することが認められました。その際の処方箋をFAXで患者が希望する薬局に送付し、薬局がその処方箋情報に基づき調剤することを認めています。

算定にあたっては、オンライン診療料(71点)ではなく「電話等再診料(73点)」とし、オンライン診療料で求めていた事前に3月の対面を必要とする要件を「複数回以上受診」に、事前の診療計画の作成も免除すると、大幅な緩和が行われました。

また、3月19日に厚労省が出した通知「新型コロナウイルスの感染拡大防止策としての電話や情報通信機器を用いた診療等の臨時的・特例的な取扱いについて」では、「かかりつけ医等が来院による新型コロナウイルスへの感染の危険性や当該患者の疾患の状態等を考慮した上で治療上必要と判断した場合に限り、当該患者の原疾患により発症が容易に予測される症状の変化に対して、これまで処方されていない慢性疾患治療薬を電話や情報通信機器を用いた診療により処方することは、可能である」と、定期処方以外の薬も処方が可能となりました。

2.初診から電話・オンライン診療の解禁

オンライン診療イメージ

4月に入りわが国ではさらに感染拡大が進み、4月7日には7都府県に「緊急事態宣言」が発令されました。その3日後の4月10日、厚生労働省は事前に出ていた通知に変わり、新たに「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」を発出し、「初診から電話・オンライン診療」が限定解除となりました。

これまで頑なに、電話やオンラインでの診療はあくまで再診で、初診は対面でという姿勢を貫いてきた方針から、一気に初診からでも対応可能とした、今回の変更は、大きな英断であったと思います。それほど、医療現場は切迫しているという危機感の表れではないでしょうか。医療機関でのクラスタ―をどう防ぐか、同時に患者への適切な医療をどう継続できるか、という観点から、いち早く来院せずに、継続した医療サービスが受けられる体制整備が必要と考えたのでしょう。

3.初診は214点を算定

診療費イメージ

事務連絡によると、「初診から電話や情報通信機器を用いた診療により診断や処方をする場合」には、診療報酬の算定方法「A000初診料の注2」の214点を算定することが可能となりました。その際、医薬品の処方を行い、FAX等で処方箋情報を送付する場合は「調剤料、処方料、処方箋料、調剤技術基本料、又は薬剤料」を算定することができるとしています。

一方で、既に医療機関で診療を継続中の患者が、他の疾患で医療機関にかかる場合は、本来は初診にあたりますが、その場合は「電話等再診料」(73点)を算定することとしています。

4.医学管理料は147点を算定

医学管理料イメージ

また、慢性疾患を有する定期受診患者に対して、電話や情報通信機器を用いた診療及び処方を行う場合であって、以前より対面診療において診療計画等に基づき療養上の管理を行っており、「情報通信機器を用いた場合」の注に規定されている管理料等(特定疾患療養管理料等)を算定していた患者に対しては、電話や情報通信機器を用いた診療においても計画等に基づく管理を行う場合は、「B000の2に規定する許可病床数が100床未満の病院の場合」の「147点」を月1回に限り算定できるとしています。

5.麻薬、向精神薬、ハイリスク薬の処方は不可

麻薬、向精神薬、ハイリスク薬の処方は不可イメージ

一方、初診からのリスクを考慮し、医師が電話・情報通信機器を用いた診療で、診断や処方が医師の責任の下で医学的に可能であると判断した場合であっても、「麻薬及び向精神薬の処方」はしてはならないとしています。

また、診療録等により患者の基礎疾患の情報が把握できない場合は、「処方日数は7日間」を上限とされています。さらに、特に安全管理が必要な医薬品(いわゆるハイリスク薬)についても、診療報酬における薬剤管理指導料の1の対象となる薬剤(抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤等)の処方をしてはならないとしています。

6.処方箋の取扱い

処方箋イメージ

患者が薬局で電話や情報通信機器による情報の提供及び指導を希望する場合は、処方箋の備考欄に「0410対応」と記載し、患者の同意を得て、医療機関から患者が希望する薬局にFAX等により処方箋情報を送付することが可能になっています。その際、医師は診療録に送付先の薬局を記載することとしています。また、医療機関は「処方箋原本」を保管し、後日、処方箋情報を送付した薬局に原本を送付することになります。

さらに、初診から電話、オンラインの処方を行う際に診療録等により患者の基礎疾患を把握できていない場合は、処方箋の備考欄にその旨を明記することとしています。院内処方についても患者と相談の上、医療機関から直接配送することを認めています。

7.受診方法による選別が始まる

診察イメージ

今回の初診からの電話・オンライン診療に対応する医療機関を都道府県ごとに取りまとめて厚労省のホームページでリストの公表を行っています。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、医療機関の受診を控えたい患者は、そのリストを頼りに受診方法を検討するという新しい流れが出て来ることが予想されます。新型コロナの感染リスクを避けようとするなら、自ずとリスクの低い「電話受診」や「オンライン受診」を患者が選ぶのは明白でしょう。

医療現場では、電話やオンラインでの限界を理解した上で、患者を守り、スタッフを守り、そして医療機関を守るための医療サービスの提供に、いち早く対応する必要が出て来ています。

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