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2022.04.20(最終更新日:2022.04.20

押さえておきたい新薬情報
軽症・中等症の新型コロナウイルス感染症治療薬(中和抗体薬)

電子カルテ運用イメージ

この記事は…
大学病院で医薬品情報を担当していた薬剤師が、年に4回承認される新薬のなかから話題の新薬をピックアップ。その特徴や作用機序、必ず押さえておきたいポイントを分かりやすく解説します。

2021年7月に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する抗体カクテル療法のロナプリーブ注射液セット〔一般名:カシリビマブ(遺伝子組換え)/イムデビマブ(遺伝子組換え)〕が、2021年9月に、2剤目の中和抗体薬として、ゼビュディ点滴静注液〔一般名:ソトロビマブ(遺伝子組換え)〕が特例承認されました。

新型コロナの重症度は、軽症、中等症Ⅰ、中等症Ⅱ、重症の4段階に分類されます。COVID-19は、発症後、数日はウイルス増殖が、7日以降は宿主免疫による炎症反応が主病態になります。
抗ウイルス薬のベクルリー点滴静注(一般名:レムデシビル)、ステロイド薬のデキサメタゾン錠・注、レムデシビルとの併用で用いられる免疫抑制薬のオルミエント錠(一般名:バリシチニブ)は、いずれも中等症から重症がメインの治療薬です(ベクルリーは、軽症でも重症化リスク因子を有する等の患者に適応拡大されました)。 ロナプリーブとゼビュディは、感染症の重症化リスク因子を1つ以上有し、酸素投与を要しない、軽症~中等症Ⅰの患者が対象になります。原則、「発症から7日以内に投与」という制限があります。

ロナプリーブは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のスパイク蛋白質に対する2種の中和抗体を組み合わせた製剤です。ウイルスが細胞内へ侵入する際、リガンドとなるスパイク蛋白質と宿主細胞のアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体の結合を阻害(中和)し、ウイルス増殖を抑制します。1種類の抗体では、耐性株が出現する可能性があるため、2種類のカクテルになっています。ただし、オミクロン株には、中和活性が低下しているとの報告があるため推奨されていません。
ロナプリーブは、濃厚接触者や無症状感染者に対する予防投与と皮下投与が適応追加になりました。
ゼビュディは、スパイク蛋白質のうち、変異を起こしにくい部位を標的とした1種類の中和抗体で、投与前の混合作業が必要ありません。また、オミクロン株にも効果があるとされます。
両剤とも、国が買い上げて、「登録センター」に登録された医療機関に無償で提供されます。

商品名 ロナプリーブ注射液セット300/1332 ゼビュディ点滴静注液
一般名 カシリビマブ(遺伝子組換え)/
イムデビマブ(遺伝子組換え)
ソトロビマブ(遺伝子組換え)
会社名 中外製薬 グラクソ・スミスクライン
適応症 SARS-CoV-2による感染症及びその発症抑制 SARS-CoV-2による感染症
対象者 濃厚接触者・無症状感染者、重症化リスクを有する軽症・中等症Ⅰ、新型コロナワクチン非接種者 重症化リスクを有する軽症・中等症Ⅰ
重症化リスク因子 50歳以上、肥満、心血管疾患(高血圧を含む)、慢性肺疾患(喘息を含む)、1型または2型糖尿病、慢性腎障害(透析患者を含む)、慢性肝疾患、免疫抑制状態(医師の判断による) 55歳以上、薬物治療を要する糖尿病、肥満、慢性腎障害、うっ血性心不全、慢性閉塞性肺疾患、中等症から重症の喘息
用法 成人および12歳以上かつ体重40kg以上の小児には、600mgを併用により単回点滴静注(20分かけて)又は単回皮下注射する 成人および12歳以上かつ体重40kg以上の小児には、500mgを単回点滴静注(30 分かけて)する
副作用 アナフィラキシーを含む重篤な過敏症、インフュージョン・リアクション(輸注反応)
妊婦 有益性投与(生殖発生毒性試験は未実施)
承認条件 特別承認のため十分な説明と文書による同意が必要
薬価 全額公費負担、「登録センター」から無償で譲渡

使用に際しては、必ず最新の添付文書をお読み下さい。【2022年3月時点の情報】

情報提供元:浜田康次 一般社団法人日本コミュニティファーマシー協会理事

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