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電子カルテにかかる実際の費用

診療所向け電子カルテは、実際にいくらくらいかかるのでしょうか。 メーカーのホームページに標準的な金額が書かれている場合と、メーカーから見積りを取ってみないと分からない場合があります。 また見積りを見ても、その内訳はかなり複雑で、簡単に理解することは難しいと感じるでしょう。 また、従来のオンプレミス(院内サーバ)型電子カルテとクラウドサーバ型電子カルテで、費用の考え方は大きく異なります。 そこで、オンプレミス型電子カルテとクラウドサーバ型電子カルテを比較しながら、「電子カルテの価格」について考えてみましょう。
もくじ
1.電子カルテの費用はレセコンの費用と併せて考える 2.イニシャルコストとランニングコスト 3.端末にかかるコスト 4.更新にかかるコスト 5.周辺システムとの連携にかかるコスト 6.データコンバートにかかるコスト 7.まとめ1.電子カルテの費用はレセコンの費用と併せて考える

まず、電子カルテの価格を考える際、「電子カルテはレセプトコンピュータ(以下、レセコン)と一緒に購入するのが一般的」という考えを持つ必要があります。
保険請求が必要な場合、電子カルテ単独で導入するケースはほとんどありません(現在使用中のレセコンに電子カルテを追加する場合を除く)。
レセコン一体型電子カルテであれば、レセコン機能は当然含まれています。
一方、日医標準レセプトソフト(以下、ORCA)に連携する電子カルテは、電子カルテにORCAの費用を合わせて考えることになります。
2.イニシャルコストとランニングコスト

電子カルテにかかる費用は、「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」に分けて考えることができます。
「イニシャルコスト」は、オンプレミス型電子カルテであれば、ソフトライセンス費用と導入・研修費用、そして端末代金が含まれます。
一方、クラウドサーバ型電子カルテの初期費用は、ソフトライセンス費用はなく、また導入・研修費用も自らでセッティングをする場合は必要ありません。
「ランニングコスト」は、オンプレミス型電子カルテであれば、保守費用として、診療報酬改定や定期バージョンアップにかかる費用と、トラブル時の対応費が含まれています。
一方、クラウドサーバ型電子カルテのランニングコストは、「月額利 用料」として、ソフトライセンス費用と診療報酬改定や定期バージョンアップにかかる費用、そしてトラブル時の対応費が含まれています。
3.端末にかかるコスト

パソコンやプリンター、スキャナーなどの「端末費用」は、オンプレミス型電子カルテはイニシャルコストに含まれている場合が多く、パッケージ化されています。
しかしながら、最近ではユーザー自らが端末を用意するケースも出てきています。
一方、クラウドサーバ型電子カルテは「端末フリー」がほとんどで、ユーザー自らが端末を用意することになります。
端末を選ぶ際、CPU、メモリー、HDDなどパソコンのスペック指定がありますので、それを参考に選ぶことになります。
4.更新にかかるコスト

オンプレミス型電子カルテは、5年~6年に1回、マイクロソフト社のOSであるWindowsのバージョンアップに合わせた大幅なアップデート行われるため、基本的には「更新費用」がかかります(かからないメーカーもあります)。
この更新コストは、新たに電子カルテを購入するのと同等額かかる場合があり、その費用に驚かれることもあるでしょう。
一方、クラウドサーバ型電子カルテは、「サブスクリプションモデル」が多く採用されているため「定額制」であり、更新費用は一切かかりません。
定期的に端末を交換するコストだけがかかることになります。
5.周辺システムとの連携にかかるコスト

近年では、電子カルテに様々なシステムを連携して使用するのが当たり前となっています。
連携が多いシステムの代表例として、画像ファイリングシステムや予約システム、Web問診システムなどが挙げられます。
そのほかに、院内の検査機器と連携するケースもあるでしょう。
このような電子カルテにつながるシステムを「周辺システム」と呼ぶのですが、
これらシステムと連携する際には「連携費用」として、コストがかかることがあるので確認が必要です。
一方、クラウドサーバ型電子カルテは、「サブスクリプションモデル」が多く採用されているため「定額制」であり、
更新費用は一切かかりません。定期的に端末を交換するコストだけがかかることになります。
6.データコンバートにかかるコスト

現在すでに電子カルテを使用しており、新たに別の電子カルテに乗り換えるためには、過去のデータをコンバートする費用がかかることがほとんどです。
これについてはメーカーにより対応が異なることが多く、明確な基準はないようです。
データコンバートについては、「レセプトデータ」の場合、レセプト請求情報が標準化されているため、コンバートはたいてい行えます。
一方、「カルテデータ」は標準化されていないため、コンバートができるかどうかはメーカー次第となります。
しっかりと費用も併せて確認すると良いでしょう。
7.まとめ

以下に、オンプレミス型電子カルテとクラウドサーバ型電子カルテのコストの比較表を用意しました。
オンプレミス型 | クラウドサーバ型 | |
---|---|---|
イニシャルコスト | ソフトライセンス費 研修費 |
導入・研修費(自らセッティングする場合はなし) |
ランニングコスト | 保守料 | 月額利用料(保守料を含む) |
端末コスト | イニシャルコストに含まれている(自ら端末を用意する場合は実費) | 実費負担 |
更新コスト | 5年~6年に1度かかる | なし |
連携コスト | 周辺システムとの連携コストは、必要な場合と必要ない場合がある | |
データコンバートにかかるコスト | データコンバートはコストがかかるが、明確ではないことがほとんど。 |
データコンバートについては、「レセプトデータ」の場合、レセプト請求情報が標準化されているため、コンバートはたいてい行えます。 一方、「カルテデータ」は標準化されていないため、コンバートができるかどうかはメーカー次第となります。 しっかりと費用も併せて確認すると良いでしょう。
情報提供元:株式会社EMシステムズ
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